税理士事務所でのovice活用 執務スペース×オンラインサロンカフェそれぞれの運用を紹介
リモート環境の整備をスムーズにできても、解決策が簡単に見つからないのが「メンバー間のコミュニケーション不足」。今回は、ビデオ会議ツールでのコミュニケーションの取りづらさに違和感を覚え、oviceを導入された東日本税理士法人さんにお話をうかがいました。
導入前の課題感やoviceを選んだ理由、事務所とオンラインカフェの活用方法、今後の展望といったさまざまな内容をお聞かせいただきました。
利用企業名:東日本税理士法人(公式サイト:https://www.higashinihon.tokyo/)
取材対象者:所長 長さん(@eiichiro49)
利用人数:約30名
企業概要:医療介護経営に特化した会計事務所。複数名のスタッフが所属。新型コロナウイルス流行を機に在宅勤務に移行し、所長の長さんご自身も地方に住まいを構えている。
<活用のポイント>
- リモートワークにはスムーズに移行。しかし“業務外のコミュニケーション”減少に課題感
- ビジネスユースを考え、2Dのバーチャルオフィス oviceを選択
- 現在、事務所とオンラインサロンカフェの2つのovice空間
- 地位やポジションに関係なく、フラットにコミュニケーションを取れる「未来のオフィス」を実感
“業務外のコミュニケーション”減少に悩んだ、税理士事務所のリモートワーク
ー最初に、ovice導入前の状況についてお聞かせください。
2年前に新型コロナが流行したタイミングから、在宅勤務の体制をとってきました。コロナ以前から、社員がどこでも仕事をできる体制を整えようという考えはあり、全社員にPCとスマホを支給していました。在宅勤務への移行は比較的スムーズだったように思います。
ただ、出社時と比べると、徐々に事務所内のコミュニケーションが不足してきました。
ーコミュニケーション不足について具体的に教えてください。
それまでは年に数回やっていた懇親会や忘年会のような集まりが一切なくなり、業務外のコミュニケーションが圧倒的に減りました。
業務上のやりとりはビデオ会議ツールを使ってミーティング等行うわけですが、本題が終わるとすぐ閉じるといった形で、日常的な会話は起きず…。相談や雑談のような気楽なコミュニケーションも失われてしまいました。
ーコミュニケーションが不足して、どんな問題がありましたか。
わかりやすいところでいうと、相談や質問がしづらいので、一部メンバーの業務が進みづらくなるという問題が起きました。
このようにコミュニケーションが不足する中で、「もし今のタイミングで新人が入ったらどうするの?」という課題意識もありました。
既存メンバーですらミーティング以外でコミュニケーションをほとんど取れていないのに、新しく入ったメンバーをどのようにサポートしていくのか、質疑応答や相談にどう乗っていくのか、イメージをつけることができなかったのです。
幸いこの2年間、新しく入るメンバーはいませんでした。しかし、今までは東京近辺しか採用できなかったのが、今やフルリモートを謳うことで全国からメンバーを採用できます。今後の組織を考えていくうえで、一刻も早く「オンラインでコミュニケーションを活性化させる方法」を見つけないといけない…そう感じるようになりました。
ビジネスとして使いたいから、2Dのoviceを選択
ー将来的に考えても、スムーズにコミュニケーションを取れる体制を作る必要があったのですね。oviceはどのような経緯で導入されたのでしょうか。
実は1年以上前に、知人にoviceを紹介してもらっていました。でもその時は、「ビデオ会議ツールだけでなんとかできないか」と考えていたので、導入しようとは考えていませんでした。
ただそれ以降、ビデオ会議ツールを使ったオンラインコミュニケーションの「リアルな会話とほど遠い状態」への違和感がどんどん大きくなりました。そこで改めてoviceを思い出し、申し込みました。
ー他のツールは検討されなかったんでしょうか?oviceを選んだ決め手についても教えてください。
バーチャルオフィスのツールはいくつか見ました。リアクションがアバターの動きに投影されるものや、立体感を感じられる3Dのサービスもいいなとは思ったものの、重くて落ちやすいというデメリットから採用には至りませんでした。ビジネスとして使ううえでは、安定的かつ安全に使えるツールであることが大切だなと。
oviceは3Dではないですし、動作も軽く、安心してビジネスユースできます。複数人で同時に画面共有ができたり、鍵付きの会議室を作れたりなど、細かいところに手が届く印象でしたね。実際の利用を想定した時に、一番しっくりくる選択肢がoviceでした。
事務所とオンラインサロンカフェ。2つのovice空間、それぞれの運用スタイルは?
ー現在はどのようにoviceを使っていますか?
会社で契約しているスペースはメンバーの執務のための空間として使っていて、個人で契約している分は勉強会のあとの懇親会や、相談のための場所として活用しています。
事務所の方には、総務や経理といった事務職員に常駐してもらっています。それ以外のメンバーは打ち合わせや雑談場所に使ってもらっています。
マニュアルなどは準備していなくて、操作上でわからないことがあったら事務職員に確認します。
ー勉強会や相談会はどんな方を対象に開催しているのですか?
私たちは医療経営特化の会計事務所です。病院経営に関心のある経営者や医療関係者の方に向けて、共有できる情報も多く持っています。こうした方を対象に、oviceのバーチャルスペースを活用して、オンラインサロンカフェを開いています。
勉強会自体はビデオ会議ツールを使って行うのですが、終わったタイミングでチャットにoviceのURLを貼り、懇親会に誘導しています。
ー事務所メンバーの皆さまの、ovice対する反応や感想はどのようなものがありましたか?
最初のうち、年代が高めのメンバーからは操作の質問などは来ていましたが、今は全員抵抗なく使ってくれています。以前よりコミュニケーションをとりやすくなった、と評価いただいてますね。
地位やポジションに関係なく、フラットにコミュニケーションを取れる「未来のオフィス」
ーoviceを導入して、一番変わったことは何だと思われますか?
東日本税理士法人には、合計30名近くメンバーが所属しているのですが、正社員以外にも派遣職員や委託職員などさまざまな契約形態のメンバーがいます。実は、在宅勤務以前を振り返ってみると、契約形態によって「垣根」のようなものがあったと思います。ところが、oviceでオンラインコミュニケーションが活性化されてからは、例えばオンライン秘書と正社員スタッフが話したりなど、そうした壁が取り払われたように感じることも少なくありません。
これは、地位やポジションに関係なく、アバターという形でフラットに話ができることの影響なのかなと思っています。未来のオフィスはゆくゆく多くがこんな感じになるのかもしれない、と個人的には感じているところもあり、事務所でこういった新しい働き方を進められていることに楽しさを感じています。
バーチャルオフィス×税理士事務所の先陣を切っていきたい
ー今後oviceで実現したいことはありますか?
導入以前より状況はだいぶよくなりましたが、雑談や相談はもっと活発化できると考えています。
そのための仕掛けも考えており、一つは、顧問の国税局OBの先生による相談室の開設です。先生には月に2回oviceにいらしていただき、メンバーには「仕事の相談ができる場所」として周知しています。
同様にメンバー向けの勉強会も開催していき、oviceにログインする機会を増やしていきたいと思っています。
また、人材採用を見据えて、バーチャルオフィスを活用していることはもっと外向けに発信していきたいですね。oviceを導入する以前から、出社率は1割前後を維持していますし、oviceを導入してからはよりオンラインでも働きやすくなりました。「本気で在宅勤務をしている」会計事務所として、税理士事務所で働く方々に選ばれる存在になりたいです。